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ドローンで独立したい!業種ごとの開業費用や仕事の取り方を詳しく解説

年々、爆発的な拡大を見せているドローンビジネス市場。
インプレス総合研究所の調査によると、2019年度のドローンビジネス市場規模は1409億円(前年度比151%)。
2020年度の市場規模は1932億円(前年度137%)と毎年大きな成長を見せており、2025年度には6237億円(2019年度の約4.6倍)に達すると見込まれています。

こうした盛り上がりを受け、ドローン関連の企業で働いている方の中には、資格を取り、修練を積んだうえで独立したいと考える方も少なくありません。
今後もさらなる拡大が見込めるドローンビジネスの世界は、独立によって大きな成功を掴める「夢の市場」と捉えることもできるでしょう。

とはいえ、ひとくちに「独立」といっても、選ぶ業種によって考え方や事業展開の仕方はさまざまです。
夢のある市場とはいえ、成功を掴むためには事前の備えが欠かせません。

この記事では、

  • ドローンで独立する場合の主な選択肢
  • 各選択肢ごとの「おおよその開業資金」と「仕事の取り方(集客方法)」

を具体的にご紹介しています。

ドローンを用いた独立準備の第一歩として、この記事が役立ちましたら幸いです。

ドローンで独立したい!独立後の主な選択肢は3つ

ドローンで独立する場合、主な選択肢は以下の3つです。

  • ドローンそのものを使ったサービス提供(撮影・農薬散布・点検など)
  • ドローンの販売事業
  • ドローンスクールの運営

冒頭でも述べたとおり、各選択肢ごとで開業資金や仕事の取り方などは大きく異なります。
次の段落から、それぞれの選択肢ごとに見ていきましょう。

ドローンそのものを使ったサービス提供で独立するなら

ドローンそのものを使ったサービス提供で独立するのであれば、

  • 動画・画像撮影
  • 農薬散布
  • 点検・調査・計測

などが主な仕事となります。
いわゆる「ドローンパイロット」の仕事がこれにあたります。

ドローンパイロットに求められる最たるものは、ドローン操縦のスキルです。
いかにクライアントの要望通りにドローンを飛ばし、期待する要望通りのデータや映像を得るかが求められますので、独立前に操縦スキルを磨いておくことが重要です。
詳細は後述しますが、ポートフォリオや実績を作り、自らの宣伝材料を準備しておくことも忘れないようにしましょう。

おおよその開業費用

ドローンそのものを使ったサービス提供の場合、

  • 各業種に適したドローン本体・バッテリーの購入費用
  • 専門ソフト(動画編集ソフト、解析ソフトなど)の購入費用
  • 専門ソフト習熟のための受講費用(必要に応じて)
  • ドローン保険費用

などが主な開業費用となります。
後述する「ドローンの販売事業(実店舗型)」や「ドローンスクール運営」と異なり、店舗を構える必要がありませんので、開業費用は比較的安く抑えられる傾向にあります。

各業種ごとに、詳しい開業費用を見てみましょう。

  • 動画撮影・写真撮影:30万円~(ドローン+動画・画像編集ソフト購入費用)
  • 点検・調査・計測:100万円~(ドローン+画像解析ソフト購入費用)
  • 農業:200万円~(農業用ドローン費用費用)

専門性が高い農業用ドローンはそもそもの機材単価が高く、安いモデルでも100万円を超えるケースがほとんど。
点検・調査・計測の場合、高機能カメラやレーザー搭載が求められる場合もあるため、動画・写真撮影に比べると開業費用が割高になる傾向にあります。

仕事の取り方

当然ですが、独立後は自分の手で仕事を取る必要があります。
そのためには、まずポートフォリオや実績を充実させておくことが重要です。
ポートフォリオや実績は、クライアントがあなたに仕事を任せるかどうかを決める大事な判断材料となるからです。

ポートフォリオや実績を作る場合は、事前に「どんな業界で活躍したいか」を明確にしておきましょう。
例えば、動画・写真撮影分野に力を入れたいと思っていても、「ウエディングムービーに強いドローンパイロット」と「企業の宣伝素材撮影に強いドローンパイロット」では、準備するべきポートフォリオの方向性が大きく異なるためです。

自分がどのようなドローンパイロットになりたいかを明確にし、それに応じたポートフォリオ・実績を準備できたら、以下の方法で仕事を取る下準備をしましょう。

  • これまで築いてきた人脈への営業活動
  • 仕事マッチングサイトへの登録
  • SNSを通じた宣伝・営業活動
  • サービスを必要としている人への直接営業 など

ドローンパイロット業界では、仕事を提供してくれる人脈を築くことが何よりも重要です。
これまで築いてきた人脈を大切にすることはもちろん、SNSやマッチングサイトを通じて、常に新規クライアントの開拓を行うようにしましょう。
とりわけ、SNS発信は大きな影響力を持っていますので、撮った作品を積極的に載せるなどして宣伝活動することをおすすめします。

ドローンの販売事業で独立するなら

ドローンの販売事業で独立する場合、

  • 実店舗型
  • ネットショップ型
  • 実店舗+ネットショップ併用型

の3つに大きく分類することができます。

このうち、最も多いのが「実店舗+ネットショップ併用型」です。
これには「ドローン本体は実店舗で、以降の消耗品・付属品はネットショップで購入する」という消費者の行動パターンが影響していると考えられます。

おおよその開業費用

ドローンの販売事業で独立を考えるなら、

  • ドローン・付属品の仕入れ費用
  • 店舗構築費用(家賃やサーバー代など)
  • 代理店契約費用(必要に応じて)
  • 人件費(必要に応じて)
  • 宣伝費用

などが主な開業費用として発生します。
このうち、とりわけ高額になりがちなのが「店舗構築費用」です。

そのため、実店舗型かネットショップ型かによって開業費用は大きく異なります。
実店舗+ネットショップ併用型の開業費用は、実店舗型とほぼほぼ同等と考えていいでしょう。

  • 実店舗:1,500万円~(店舗契約、家賃、改装費、仕入れ費用など)
  • ネットショップ:50万円~(サーバー代、各種システム費用、仕入れ費用など)

家賃がかかる実店舗は、当然ながら、開業費用が大きくかさみがち。
一方、ネットショップ自体は無料で立ち上げることもできるため、実店舗と比べると圧倒的に開業費用を安く抑えることができます。

とはいえ、店舗開業は融資が下りやすい案件ではあるので、事業計画さえしっかり立てられていれば、資金調達はそう難しくないと思われます。

仕事の取り方(集客方法)

店舗への集客方法としては、

  • 各種広告を用いた宣伝活動
  • SNSやブログを通じた宣伝活動
  • 地元地域の催事やドローンイベントなどへの出店

などが主な手法となります。
ネットショップ型の場合、SNSやブログを通じた宣伝活動、およびウェブ広告がメインとなるでしょう。
ターゲットに対し、いかに適切に情報を届けられるかが独立後の成否を分ける分岐点といっても過言ではありません。

情報発信はもちろん、ユーザーニーズを機敏に察知し、ニーズを満たす商品を取り揃えておくことも重要です。
ドローン業界全体を見る広い視野が必要となるでしょう。

ドローンスクールの運営で独立するなら

ドローンスクールの運営で独立する場合、基本的には「管理団体」への加盟、いわゆるフランチャイズ加盟をすることになります。
フランチャイズ加盟には加盟金がかかりますが、

  • 複雑なカリキュラムを自分で組む必要がない
  • ブランド力のある管理団体であれば、集客も比較的容易

などのメリットがあり、スムーズな独立が期待できます。

続いて、ドローンスクールをフランチャイズ運営している管理団体を見ていきましょう。
他にも管理団体はありますが、知名度やブランド力で選ぶなら以下の3つがおすすめです。

  • JUIDA
  • DPA
  • DPCA

これらの管理団体にフランチャイズ加盟するには、管理団体が提供している「インストラクター向けライセンス」を取得しなければなりません。
基本的に、ライセンスはインストラクター養成講座を受講することによって取得できます。
管理団体によって受講内容や難易度、費用などが異なるため、まずは各管理団体に問い合わせてみるといいでしょう。

どの管理団体に加盟するかによって、生徒の安心感や集客力には大きな差が出ると想定されます。
独立後の事業安定化のためにも、加盟団体は慎重に選ぶようにしましょう。

おおよその開業費用

ドローンスクールの運営において必要となるのは、主に以下の5つです。

  • ドローン本体・バッテリーの費用
  • フランチャイズ加盟金
  • インストラクター講座受講費用
  • スクール場所確保用の費用
  • 宣伝費用

ドローンスクールを運営する場合、貸し出し用のドローン・バッテリーはもちろん、予備機・予備バッテリーも複数必要になります。
そのため、意外と機材費がかさむケースも散見されます。

フランチャイズ加盟金は、おおよそ50~300万円程度。
加盟する管理団体によって、加盟金が大きく異なります。

もっとも費用がかさむと想定されるのは「スクール場所確保用の費用」です。
ドローンスクールには一定以上の広さが求められるため、場所の確保には高額な費用が必要となります。
こうした費用を自己資金でまかなうことはまず難しいでしょうから、実店舗を構える時と同様、しっかりとした事業計画を作って融資を得ることが重要です。

仕事の取り方(集客方法)

ドローンスクールの主な集客方法は、ドローン販売(実店舗型)とほぼほぼ同じです。

  • 各種広告を用いた宣伝活動
  • SNSやブログを通じた宣伝活動
  • 地元地域の催事やドローンイベントなどへの出店

ひとつ異なるのは、ドローン販売店のメイン客層が「ドローン関連知識をある程度保有している層」であるのに対し、ドローンスクールの場合は「これからドローンについて学んでいきたい層」「ドローンについてまったく事前知識がない層」も客層となりうるという点です。
そのため、宣伝活動と並行し、ドローンの将来性について知ってもらう「啓蒙活動」も行っていくことが重要です。

徐々に認知度を高め、客層を広げていくためにも、地道な宣伝・啓蒙活動を大事にするようにしましょう。

まとめ

改めて、今回の記事の内容を振り返ってみましょう。

ドローンで独立する場合の主な選択肢は以下の3つ。

  • ドローンそのものを使ったサービス提供(撮影・農薬散布・点検など)
  • ドローンの販売事業
  • ドローンスクールの運営

ドローンそのものを使ったサービス提供で独立した場合の開業費用は、

  • 動画撮影・写真撮影:30万円~(ドローン+動画・画像編集ソフト購入費用)
  • 点検・調査・計測:100万円~(ドローン+画像解析ソフト購入費用)
  • 農業:200万円~(農業用ドローン費用費用)

ドローンの販売事業で独立した場合の開業費用は、

  • 実店舗:1,000万円~(店舗契約、家賃、改装費など)
  • ネットショップ:10万円~(サーバー代、各種システム費用など)

ドローンスクールの運営で独立した場合の開業費用は、出店規模・地域などによって大きく異なりますが、実店舗を構えるとき以上に費用がかさむことが想定されます。

業種によって、開業費用や仕事の取り方・集客方法が大きく異なるドローン独立。
独立後の事業をなるべく早く軌道に乗せるためにも、入念な下準備を怠らないようにしましょう。