ドローンスクールのおすすめ記事

ドローン撮影サービスで独立したい人必見!必要手順や費用相場を詳しく解説【前編】

年々、右肩上がりの盛り上がりを見せているドローン業界。
その波に乗り遅れまいと、ドローンビジネスで独立を考える人も多いことでしょう。

独立を考える人の中でも、とりわけ人気の業種が「ドローンによる撮影サービス」です。

この記事では、ドローン撮影サービスで独立するにあたって必要となる費用相場を、

  • 準備段階
  • 事業開始の直前段階
  • 事業立ち上げ段階

の3段階に分けて詳しく解説していきます。

ドローン撮影サービスでの独立をお考えの方は、ぜひこの記事をお役立てください。

【準備段階】必要なものとおおよその費用相場

ドローン撮影サービスで独立する準備段階においては、主に下記2つの費用が発生します。

  • ドローン撮影に適した練習用機材の購入
  • ドローンスクールの受講費用(必要に応じて)

早速、それぞれの費用相場を見ていきましょう。

ドローン撮影に適した練習用機材の購入

準備段階でまず必要となるのは、撮影練習用のドローン機材です。

一番のおすすめは、やはりDJI社のドローンです。
DJI社のドローンはプロも愛用する空撮用機材ですので、これで練習しておけばまず間違いがありません。
DJI社のドローン購入費用は【20万円程度】を見込んでおきましょう。

GPS制御のないホビー用ドローンを用いた練習も、撮影テクニックの向上に有効です。
ライセンス取得の際にも役立ちますので、安いホビー用機材も練習用として購入しておくといいでしょう。
ホビー用ドローン購入費用は【2〜3万円程度】が一般的です。

可能であれば、重量200g未満の「マイクロドローン」も経験しておくといいですね。
マイクロドローンでしか撮れない映像もありますので、あらかじめ練習をしておけば、撮影サービスの幅をグッと広げることができますよ。
機体は小さいですが、搭載カメラはフルHD~4Kで十分綺麗な映像が撮影できます。

マイクロドローン購入費用は【15万円程度】となります。
なお、5GHz帯の電波を使う製品の場合は無線免許が必要となり、その取得費用が【2〜3万円程度】必要となります。
これについてはまたの機会に詳しく解説します。

これらを総合すると、練習用機材の費用相場は【37~38万円程度】となります。
マイクロドローンを購入しない場合は【22~23万円程度】を見込んでおくといいでしょう。

ドローンスクールの受講費用(必要に応じて)

ドローン撮影サービスで独立するにあたり、ライセンスの取得は必要不可欠です。
技術と実績が問われるプロの現場においては、ライセンスの存在が、一定水準以上の撮影技術・操縦技術を証明してくれる名刺のような役割を果たしてくれるためです。

ドローンライセンスを発行している民間機関は61団体あります(2021年5月末現在)。
なかでも規模の大きな団体は以下の3つです。

  • DJI CAMP
  • DPCA(ドローン撮影クリエイターズ協会)
  • JUIDA(日本UAS産業振興協議会)

どのライセンスを取得できるスクールに通うか、どのコースを選ぶかによって費用は大きく変動しますが、【10〜30万円程度】がおおよその費用相場となります。

準備段階で必要となる費用相場合計

準備段階で必要となる費用相場の合計は【49~71万円程度】となります。
細かい内訳は以下の表をご覧ください。

【事業開始の直前段階】必要なものとおおよその費用相場

事業開始の直前段階においては、主に下記の6段階において費用が発生します。
いよいよ本格的に事業を開始しようという段階ですので、必要となる費用のボリューム感も大きくなってきます。

  • 事業形態(個人事業主or法人)を決める
  • 事業拠点を決め、必要に応じて賃貸契約を結ぶ
  • WEBサイトやSNS、名刺などを準備する
  • プロ用の機材を揃える
  • 動画編集のための環境を整える
  • 撮影時に必要となる車を手に入れる

それぞれについて見ていきましょう。

事業形態(個人事業主or法人)を決める

まずは、事業形態を「個人事業主」と「法人」のどちらにするかを決めましょう。

個人事業主の場合、税務署に開業届を出しさえすれば晴れて個人事業主デビューが果たせますので、特に費用はかかりません。
しかし、法人の場合はそうもいきません。

法人として活動する場合は「法人登記」をしなければなりませんので、

  • 法定手続き【20万円程度】
  • 法人登記用の印鑑【5万円程度】
  • 資本金【100~200万円程度】

が必要となります。
手続きを司法書士に依賴する場合、追加で【20~30万円程度】の依頼料がかかります。※司法書士に手続きを依賴した場合

法人にも株式会社と合同会社がありますが、本題から逸れるため、二者の違いについては割愛します。
気になる方は、比較記事が多数ありますので調べてみてはいかがでしょうか。

資本金は1円からでも法人登記することが可能ですが、これはあまりおすすめしません。
なぜなら、

  • 銀行からの印象が悪く、融資を受けづらい
  • 取引先からの信用を得づらい
  • 会計のバランスシートが悪化する

といったデメリットが生じてしまうためです。

法人として立ち上げるなら、信用・安定性を築くためにも、創業融資などの利用も視野に入れつつ【100~200万円程度】の資本金を準備できるようにしましょう。

よって、法人登記の場合は【145~255万円程度】の費用が必要となります。
資本金は「運転資金」となるため厳密には「費用」ではありませんが、ここでは費用に含めて解説させていただきます。

【MEMO:法人として活動するメリットはあるの?】

「開業費用にここまで差がつくのであれば、個人事業主の方がいいに決まっている」
この段落を読んで、そうお感じの人もいるかもしれません。
たしかに、個人事業主の場合、開業費用はゼロ円です。
開業のために必要な手続きも圧倒的に少なく、ほとんど手間もかかりません。
しかし、法人に比べると、開業時の個人事業主の社会的信用は圧倒的に低いというのが実情です。
言いかえると、発注側(クライアント側)から「安く依頼できる相手」と認識され、満足な金額を受け取れない可能性があるということです。

もちろん実績を重ねるにつれて社会的信用が高まり、多くのクライアントと、高い単価で取り引きできるようになった個人事業主の方も多くいらっしゃいます。
しかし、皆が皆好調なスタートを切れるとは限りません。

「開業時の費用がゼロで、手間も少ない」というのは個人事業主の大きなメリットですが、「開業時は社会的信用が極めて低く、仕事の確保や単価に苦労する可能性が高い」という大きなデメリットがあることも覚えておきましょう。

事業拠点を決め、必要に応じて賃貸契約を結ぶ

事業形態を決定したら、次は事業拠点について考えましょう。

ドローンは機材を扱う仕事ですので、最低限、機材を保管・調整・充電したりする場所が必要となります。
自宅に十分なスペースがあれば問題ありませんが、そうでない場合は事務所や倉庫を借りなければなりません。
そうすると、

  • 事務所家賃【10万円程度】
  • 水道光熱費【1万5千円程度】
  • インターネット回線【5千円程度】
  • 管理費【1万円程度】
  • 駐車場代【5千円程度】

のランニング費用が必要となり、合計で毎月【およそ13万円程度】の費用が発生します。(上記は人口30万~50万人程度の地方都市を想定)

また、賃貸に伴い、

  • 契約に伴う保証金+仲介手数料=6か月分【60万円程度】

も発生します。(保証金は家賃の半年分と想定)
倉庫の場合はもっと費用を安く抑えることも可能ですが、事務所に比べると快適性の面で大きく劣ると考えられます。

なお、上記は地方都市を想定した費用相場となります。
都市部の場合は家賃や駐車場代がもっと高くなると想定しておきましょう。

WEBサイトやSNS、名刺などを準備する

独立後は、自分自身の力で仕事を確保していかなければなりません。
その際に重要となるのが、WEBサイトやSNS、名刺などの宣伝ツールです。
個人事業主の場合は屋号、法人の場合は会社名がありますので、それらのロゴデザインも必要になるでしょう。

こうした作業をすべて自分でまかなえるのであれば、最低限必要となるのは、

  • WEBサイト制作費用【20~40万円程度】
  • 名刺印刷費用【2千円程度】

あたりでしょう。

ロゴデザインや名刺デザインを外注する場合はさらに費用が発生しますが、そのぶん手間がかからないため、自身は開業準備に集中することができます。
このあたりは予算感とご自身のキャパシティなどをふまえてご検討ください。


文:東堂ちなみ 写真:PhotoAC,編集部撮影

【後編】の記事はコチラ>