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ドローン撮影サービスで独立したい人必見!必要手順や費用相場を詳しく解説【後編】

ドローン撮影サービスで独立する際に必要な費用相場をご紹介するシリーズ。
この記事は、前回の「ドローン撮影サービスで独立したい人必見!必要手順や費用相場を詳しく解説【前編】」に続く第2弾となります。

事業開始の直前段階に必要となる費用相場について、早速続きを見ていきましょう。

プロ用の機材を揃える

ドローン機材において「アマチュア用」「プロ用」という明確な線引きは存在しません。
ただし、プロとして機材を揃える場合は「トラブルが起きたときのバックアップ体勢を万全にしておく」という心構えが必要不可欠です。
具体的には、

  • 同じ機種を最低限2台は用意しておく
  • 予備バッテリーを十分な数用意しておく

の2点です。

これを踏まえたうえで、ドローン撮影サービスに適した機材について見ていきましょう。

ドローン撮影サービスで独立する人に人気の機種は、DJI社のMavic2 Proです。
搭載カメラの性能も高く、制作現場で耐えられるだけのスペックを備えています。
Mavic2 Proを一式揃えようとすると、おおよそ【30~40万円程度】はかかるでしょう。

もっと安いMavic Air2でも4K映像や高画質写真の撮影が可能ですが、Mavic2 Proに比べると見た目がチープなため、立ち会ったクライアントから「こんな機材で大丈夫なのか」と不安視されてしまう可能性もあります。
とはいえ、ドローン撮影において重要なのは「見た目」ではなく「成果物(撮影した動画や写真)」ですので、このあたりの折り合いは各自の判断にお任せします。

おすすめは、Mavic2 Proをメイン機材に。
スペースがないときの代用機としてMavic Airを備えておけば、どんな環境でも不備なく撮影に臨めるかと思います。

よって、必要となるのは、

  • Mavic2 Pro 2セット
  • Mavic Air 2セット
  • 予備バッテリー

となり、すべて揃えるとなると、概ね【80~100万円程度】の費用相場となります。

動画編集のための環境を整える

動画編集まで請け負う場合、相応のスペックを備えたPCと編集ソフトも準備しなければなりません。
すでに十分な編集技術を備えている場合は不要ですが、そうでない場合、編集技術を学ぶための講座費用も必要となります。

動画編集の定番PCであるMacBook Proの費用相場は【15万円~程度】。
編集ソフトをAdobe Premiere Proにすると、年間【2万円程度】がかかります。
これらは独立前に準備しておき、日常的に操作することでスキルを磨いておきましょう。

動画編集技術を学ぶ講座は数多くあります。
オンラインorオフライン、数ヶ月集中型or1講座買い切り型など、さまざまなタイプの講座がありますので、ご自身に合ったタイプの講座を選択しましょう。
講座によって費用相場は大きく変動しますが、【20~35万円程度】あたりが平均のラインとなります。
1講座買い切り型の場合はもっと安く抑えられますので、ご自身のスキルを鑑みつつ、適切な講座を選ぶようにしましょう。

撮影時に必要となる車を手に入れる

ドローン撮影サービスで独立するにあたり、盲点となりがちなのが「車」です。
地方在住なら既に持っているケースも多いですが、都内だとそうでない人も一定数いらっしゃるのではないでしょうか。

ドローン撮影サービスに車は欠かせません。
嵩張る機材を山盛り持って電車で移動、というのは非現実的だからです。

車選びの肝となるのは「積載量」ですが、どんな環境で撮影することになるか分からないので、大きすぎる車は避けるようにしましょう。
選ぶのであれば、小回りが利いて荷物もたくさん載せられる「ハッチバック」や小型の「ミニバン」タイプがおすすめです。
山道や海辺など、自然の中での撮影機会も多いでしょうから、汚れや傷が目立ちづらい車を選んだ方がベターです。

ドローンの場合、カメラに映りこむエリアが広く、駐車中の自車が映りこむ可能性もあるため、原色系のデザインは避けたいところです。
グレーや黒だと映りこんでも気付かないことが多く、編集中に「しまった!」となってしまう事態を避けられます。

車を調達するには、

  • 購入
  • リース

のどちらかを選ぶ必要があります。

購入の場合、高額な初期費用に加え、保険料や車検費用、駐車場代といった維持費が毎月発生します。
しかしそのぶん好きなようにカスタマイズできますし、少々の傷や凹みも気にはなりません。

リースの場合は諸々の維持費を含めた定額払いとなりますので、決まった月額費用さえ支払えば、あとは駐車場代ぐらいしかかかりません。
また、リースの月額費用は経費計上することもでき、節税対策としても有効です。
(購入の場合は減価償却する形となります)

ただし、基本的には返却を前提としたサービスなので、傷や凹みなどをつけないよう、車の扱いに気を配らなければなりません。
加えて、車という資産を保有できないというデメリットもあります。

中古車を購入した場合、おおよその費用は【100万円程度】としておきましょう。
これに加え、維持費として以下の3つが発生します。

  • 保険料【1万円程度/月】
  • 税金【乗用車の場合:3万円程度/年 軽自動車の場合:1万円程度/年】
  • 車検【15万円程度/2年に一度】

リースの場合、軽自動車であれば、月額【3万円程度~】で車を利用することができるでしょう。

事業開始の直前段階で必要となる費用相場合計

この段階で必要となる費用相場の合計は【245~545万円程度+月・年額】となります。
事業形態や事業拠点の選び方、車の調達方法などの違いによって大きな差が出ますので、あくまで参考値としてご活用ください。

細かい内訳は以下の表をご覧ください。

【事業立ち上げ段階】必要なものとおおよその費用相場

いよいよ、事業の立ち上げ段階に入ります。
この段階で費用が発生するのは、主に以下の6項目です。

  • 事業用損害保険に加入する
  • 営業用資料を準備する
  • WEBサイトやSNSを駆使して宣伝活動を行う
  • マッチングサイトに登録する
  • 商工会議所などの団体に加入する
  • 展示会に出展する

ご覧いただいたとおり、ここからはクライアントの獲得のためにお金とエネルギーをかけることになります。
それぞれ順に見ていきましょう。

事業用損害保険に加入する

事業を運営する以上、事業用損害保険への加入は必須です。

賠償保険(対人対物1億円)の相場は2~3万円程度ですが、ドローンの機体保険(墜落等による自機の損害)の場合は10万円あたり7~8千円程度と言われています。
前述のMavic2 Pro 2セットで考えるとおおよそ50万円程度となるので、その場合は年額【3~4万円程度】の保険費用が想定されます。

営業用資料を準備する

直前段階で準備しておいたWEBサイトやSNS、名刺などに加え、会社紹介や事業紹介用のパンフレットやリーフレットも準備しておきましょう。
WEBやSNS経由での集客が一般的となった現代ですが、パンフレットやリーフレットの存在意義も捨てたものではありません。
とりわけ地方においてはこうしたアナログ資料が重要となります。

パンフレットやリーフレットのサイズ、使用する写真、デザインを外注するか否かなどによって費用相場は大きく変動しますが、印刷費用として、少なくとも【10~20万円程度】は見込んでおくようにしましょう。

WEBサイトやSNSを駆使して宣伝活動を行う

アナログな宣伝と並行して、デジタルを活用した宣伝活動も積極的に行う必要があります。
そのためには、WEBサイトやSNSの定期的な更新が欠かせません。

ご自身でこうした更新作業をすべて行えるのであればそれもよし。
時間がない、更新技術がないなどの場合は、専門サービスに外注するのも一手です。

WEBサイトの更新費用自体は、実はそこまで高額ではありません。
サイトの規模感や対応内容にもよりますが、【3千円~2万円程度】が一般的な月額費用と言われています。

もちろん、

  • 活動内容を記事としてまとめてほしい
  • 撮影した何百枚もの写真を選定し、見栄えのいいものをアップロードしてほしい

などの場合は追加で費用が発生すると考えておきましょう。

マッチングサイトに登録する

「ドローン撮影サービスを提供したい人」と「ドローンで撮影してほしい人」を結びつけてくれるマッチングサイトにも、欠かさず登録しておきましょう。
登録さえしておけば、あとは運営側がマッチする案件を紹介してくれるので、集客のためにリソースを割く必要がありません。

多くの場合、マッチングサイトへ支払う費用は「成果報酬型」となります。
成果報酬型とは、実際に案件が成立した場合にのみ「案件全体の費用の数十%」を紹介料として支払う、というものです。

ドローン関連のマッチングサイトの場合、成果報酬費用の相場は【案件の10~20%程度】となります。

商工会議所などの団体に加入する

地方に住んでいる場合、商工会議所などの団体に加入しておくこともおすすめです。
入会金は【1~2万円程度】で、事業規模が小さいうちは、年会費も【1万円程度】で収まる場合がほとんどです。

いろんな人やアイデアに出会えることはもちろん、商工会議所を通じた仕事の紹介なども期待できますので、ぜひ加入しておきましょう。

展示会に出展する

撮影した動画や写真のクオリティが仕事に直結するドローン撮影サービスにおいては、展示会もまた大きな集客機会となります。

ビッグサイトに出展しようとすると、コマ代が40~50万円程度と高額になりがちですが、地方の展示会だと【数万円程度】、自治体主催だと【1万円程度】で出展することもできるのでおすすめです。
ただし、装飾などに凝る場合はそのぶんの追加費用も発生しますのでご注意ください。
コマのサイズによって装飾費にはバラつきが出ますが、ビッグサイトクラスの場合、最低でも【30万円程度】は見込んでおくようにしましょう。

展示会は、単純にイベントとしても面白いですし、さまざまな出会いがありますので、それなりの費用対効果は得られるはずですよ。

事業立ち上げ段階で必要となる費用相場合計

事業立ち上げ段階で必要となる費用相場の合計は【40~50万円程度+月・年額+都度(案件成立時)】となります。
細かい内訳は以下の表をご覧ください。

もちろん、機材やバッテリーの劣化などに応じて、適宜入れ替えなどの経費が発生する可能性もあります。
ドローン撮影のプロとして活動するうえで機材・バッテリーの維持は必要不可欠ですので、メンテナンスや入れ替えの経費を出し渋らず、常に万全の体勢を整えておくことが大事です。

まとめ

今回は、ドローン撮影サービスで独立したい人向けに、段階ごとで必要となる費用相場をおまとめしました。
読み始めた時の想定とどのくらい違いがありましたか?

改めて、前後編の内容を振り返ってみましょう。

  • 準備段階で必要となる費用相場合計:【49~71万円程度】
  • 事業開始の直前段階で必要となる費用相場合計:【235~605万円程度+月・年額】
  • 事業立ち上げ段階で必要となる費用相場合計:【40~50万円程度+月・年額+都度(案件成立時)】

ドローン撮影サービスでの独立をお考えの方にとって、この記事が役立ちましたら幸いです。