ドローンを飛ばすために「まずはドローンスクールに通ってみよう」と思われる方が多いのではないでしょうか。
しかし、調べてみると価格帯が広く、自分に合ったドローンスクールを選ぶのに迷ってしまうと思います。
そこで今回は、ドローンスクールの価格帯による違いやメリット・デメリットから、価格帯ごとにどんな人におすすめなのかを解説していきます。
目次
ドローンスクールの価格帯
ドローンスクールは、手軽に受講できる10万円以下のスクールから、高いものでは20万円以上の受講料がかかるものまであります。
実はドローンスクールと言っても、取得できる資格や実践的な飛行時間などに差があるため、そこが価格差となっています。
ここではドローンスクールの価格帯を大きく分けて3つに分類し、それぞれの特徴を紹介していきます。
10万円以下でも資格の取得は可能
10万円以下で受講できるドローンスクールやコースでは、ドローンを飛ばすための資格取得や最低限の実技を受けることができます。
資格とは、操縦者の技能を証明するもので、国土交通省の認可を受けた団体が発行しています。
実際に発行される資格の例としては、JUIDA認定の「安全運航管理者証」やDJIスペシャリストの「技能資格認定書」などがあります。
また、カリキュラムは1日〜2日で終わるものが多く、座学中心の講義と飛行演習がセットになっていることがほとんどです。
10万円〜20万円あれば実習も練習もしっかりこなせる
10万円〜20万円の価格帯では、10万円以下のスクールよりも多くの実技時間が設けられていることが多いです。
ドローンの操縦には知識や資格も必要ですが、飛行において大切なことは実践経験です。
資格や認可があっても、一般の方のドローン飛行に対する警戒心は強く、自由に飛ばして練習できる場所は限られています。
かといって、スクールの講習で短時間練習を積んだだけで、実際の仕事で使うのも心配な方も多いです。
そこで、こうした価格帯のドローンスクールを選ぶことで、講師の指導を受けながら、ある程度自由な飛行演習ができます。
カリキュラムのスケジュール的には、およそ2日〜3日ほどの長さです。
さらに、受講後に自分で練習したいと思った際にも、飛行場所を提供してもらえるスクールも、この価格帯から存在します。
20万円以上のスクールは専門性の高さやネームバリューがある
受講料が20万円以上に設定されているドローンスクールやコースでは、より専門的(構造、気象、電波等)な知識を学ぶことができるカリキュラムがあります。
また、「公益財団法人日本航空教育協会認定」や「アマナドローングラファーライセンス」といったネームバリューのある資格を取得できるため、同業者の中でも差をつけたいと考えている方に選ばれています。
こうしたスクールで資格を取得し卒業したことを、スキルシートに書いておくと
「しっかりとした場所で、専門的な知識を学んできた」
というイメージを与えることにもつながります。
また、ドローン操縦に直接関わるスキル以外にも、業界で働くための知識を得られるコースもあり、受講後はその分野でのスペシャリストとして働くことができる可能性もあります。
各価格帯の特徴やメリット・デメリット
ここからはドローンスクールの価格帯ごとの、特徴やメリットとデメリットをまとめていきます。
自分はどんなメリットのあるスクールで学びたいのかを選ぶ際の参考にしてみてください。
とりあえず飛ばせるようになりたい場合は10万円ほどのスクールでOK
メリット1:低価格で資格を取得できる
10万円以下で受講可能なスクールやコースの大きなメリットは価格です。
「ドローンを使った事業を行っている企業に就職したい」と考えている人にとっては、低価格で資格を取得できると、自分のアピールポイントになります。
また、すでにドローン業界で就職している人が、会社負担の中で資格を取ることができるスクールやコースを選ぶ際にも、こちらの価格帯が視野に入ります。
メリット2:必要な資格を早く取れる
価格が抑えられているだけでなく、カリキュラムが短いことが多いため、資格取得までの時間が少なくて済みます。
独学で勉強するのは不安のある方や、趣味の範囲内でドローンを扱うことを想定している場合には、こちらの価格帯でドローンスクールやコースを選んでも問題ないでしょう。
デメリット:実技時間が少ない
ドローン操縦で重要なことは、実践的な訓練から得られる「慣れ」や「経験」です。
しかし、こちらの価格帯では十分な実技時間が確保できないため、大きなデメリットとなっています。
ただし、資格を取ることだけが目的の方や、後ほど会社や自分で自由にドローン操縦の練習ができる環境の人であれば、問題ではないかもしれません。
即実務に生かしたい・業務で使うなら10万円〜20万円のスクールで
メリット1:即戦力となるための知識が得られる
この価格帯のスクールやコースでは、スケジュールが2日〜3日と長く設けられているので、資格取得に必要な知識以外のことも勉強できます。
例えば、特殊な条件下でドローンを飛行させる際に求められる技能として「夜間や目視外での飛行」というものがあります。
この技能を練習するには、専門の講師と飛行させることができるだけの敷地、それを学ぶための時間が必要です。
10万円以下のスクールではコースでは、こうした技能を習得することは難しいですが、この価格帯であれば、しっかりと学ぶことができます。
メリット2:実際にドローンを飛ばせる練習時間が多い
カリキュラムに余裕があることから、ドローンを実際に飛ばすことのできる時間も多く設けられています。
この時間がドローン操縦にとっては重要な要素で、自主的な練習を重ねることでさまざまな経験を得ることができます。
スクール卒業後にすぐドローンを使った実務をしたい人や、自分で練習場所を確保することが難しい人には嬉しいポイントではないでしょうか。
デメリット:コストを回収できるか試算が必要
この価格帯を選ぶ方は自分でドローンを用意して、仕事につなげていきたいと考える人が多いと思います。
しかし、ドローン自体のコストに加えて保険料や整備費、さらにドローンスクール受講料がかかってくると、ドローンで仕事を始めるための諸経費が大きく膨らみます。
すぐに仕事につながるのであれば、かけた経費を回収する目処も立ちますが、そうでない場合にはコストに見合った仕事がない状況にもなりかねません。
経歴に箔をつけたい・スペシャリストを目指すなら20万円以上のスクールを選ぶ
メリット1:業界で有名な団体や企業の講習を受けることができる
他のドローンスクールよりも高いコストがかかる分、経歴には箔がつきます。
ドローン業界を知っている人であれば、誰でもわかるスクールや団体の講習を受けていることで、取引先やクライアントに対して、技術力だけでなく安心感を与えることも可能です。
また、同じドローン操縦を行うライバルに対しても、持っている資格は同じでも「全国でも有名なスクールに所属していた」というブランドで差をつけることができるでしょう。
メリット2:専門分野の知識を多く学ぶことができる
スクールによっては、非常に専門性のあるカリキュラムを提供している場合もあり、ドローン操縦とスペシャリストとしての知識の両方を得る機会にもなります。
例としては「プロの空撮テクニックが学べるコース」や「測量に用いられるUAV測量の解析」などがあります。
こうした「飛ばせる技術+応用できるスキル」を学ぶことで、より高度なスキルを求められる仕事に対応することが可能です。
自営業やフリーランスで、ドローンを使った事業を始める予定のある方にとっては、高額な案件を獲得するチャンスにつながります。
デメリット:金額に見合ったカリキュラムかどうか吟味する必要がある
20万円以上の受講料を設定しているスクールやコースが、自分にとって必要なのかをカリキュラムを見てしっかり吟味しましょう。
表現方法を変えると、本当にそれだけの価値があるか調べずに申し込んでしまうと、損をしてしまう可能性も否定できません。
「名の通っている企業のスクールである必要があるのか」や「業界に特化した専門の講習を受けて将来性があるのか」を自分なりに分析できていないと、高い受講料を払った効果を実感できないでしょう。
まとめ
今回はドローンスクールを3つの価格帯に分けて紹介してきました。
ドローンスクール選びでは、予算はもちろん、重要なのは自分のニーズにあったスクール選びです。
しかし、ドローンを使ってどんなことがしたいのか、どのようにスキルを生かしていくのか、といった自分の目的に合うスクールを選ぶことも忘れないでください。
せっかくドローンスクールに通ったのに「仕事の受注につながらない」「現場で必要なスキルとして足りなかった」ということになっては、コストも時間もロスしてしまいます。
まだまだドローン業界は発展中な部分が多く、調べるだけではわからないことも多いと思いますので、迷った時には、各スクールに気軽に問い合わせをしてみましょう。
自分のやりたいことが学べるのか、何が必要なのかといった疑問に、専門的な知見からアドバイスをもらい、ドローン操縦士としての第一歩を踏み出してみてください。